ポリオ(急性灰白髄炎)とワクチンの話4 – 2歳以降のIPV追加接種について
不活化ポリオワクチン(IPV)は経口生ワクチン(OPV)に比べて、免疫獲得に要する接種回数が多くなります。
現在、我が国ではIPVは3回の初回免疫と1回の追加免疫の計4回が定期接種とされています。典型的なパターンとしては①3M(三か月) ②4M ③5M ④1Y(一歳)といったところでしょうか。それ以降(2歳以降)については定期接種の予定は今のところ決まってはいません。しかし、以前よりIPVを施行している国々の多くは2歳以降も定時接種を行っています。
例えばアメリカ合衆国ではIPV計4回と回数は同じですが、①2M ②4M ③6-18M ④4-6Y、③は実質12M頃に接種を推奨しており、2+1+1、2歳以降に1回の追加接種となっています。
これをより明確にしたのがカナダです。計5回、①2M ②4M ③6M ④12-18M⑤4-6Y、2歳以降1回の3+1+1です。
オランダは計6回、①3M ②4M ③5M ④12M ⑤4Y ⑥9Y、2歳以降2回の3+1+1×2です。
フランスは計7回、①2M ②3M ③4M ④12-18M ⑤6Y ⑥11Y ⑦16Y、2歳以降3回の3+1+1×3です。
イングランドは少し変わっています。接種回数は計5回、①2M ②3M ③4M ④3-5Y ⑤13-18Y、初回免疫をサポートする追加免疫なしで2歳以降の追加接種2回、3+0+1×2です。
上記の国の状況を考えると我が国でも今後、2歳以降のIPV接種の予定が組まれる可能性は十分あると考えます。