台風等による被災地で気をつけたい破傷風感染
このたびの台風19号ではかなりの広範囲な地域に甚大な被害をもたらすとともにたくさんの被災者の方々や多くのボランティアの人々が泥水に浸かった家や職場の後片付けに追われる状況となっています。今後砂埃を吸い込むことで懸念される呼吸器系の疾患やガラスや壊れた家具、金属類の処分等による怪我そのものも危険なことではあるのですが泥水や汚泥が傷口に付着することで感染する破傷風にも十分に注意すべきです。
破傷風は世界中の土壌のなかに広く生息している菌でとげが刺さったり動物に咬まれたりすることでも感染します。
破傷風に感染すると口唇や手足のしびれ、味覚異常に始まりその後開口困難や激しい全身痙攣が起こり現代においても致死率が高く、自然感染による免疫が成立しないものなのでワクチンを接種しておくことが望ましいことになります。
特に昭和43年以前に生まれたワクチン未接種世代の方、あるいは被災地にボランティアで行かれる方、ガーデニングや土いじりが好きな方などは破傷風ワクチンの接種をお勧めします。
子供の頃にDPTワクチンを接種していても20代以降では10年ごとくらいに追加接種をしておくとより安心です。
現在でも国内で毎年100人以上の患者発生があり特に東日本大震災の際には被災地にて10人が破傷風を発生したとの報告もあります。
Ms,Naoko,B
参考文献 『予防接種に関するQ&A集』日本ワクチン産業協会発行
『海外渡航のためのワクチンガイドライン 2019』日本渡航医学会
『厚生労働省HP FORTH』