百日咳

原因

百日咳菌によって引き起こされる急性の気道感染症です。咳やくしゃみなどによる飛沫感染や、咳やくしゃみをおさえた手で何かに触り、そこから接触感染する場合もあります。
新生児や乳児早期では重症になり、肺炎、脳症を合併し、稀に致死的となることがあるため、世界的に小児の定期接種としてワクチン接種が行われています。

症状

  1. カタル期(約2週間持続)
    5~10日(最大3週間)程度の潜伏期間を経て、普通のかぜ症状で始まり、次第に咳の回数が増えて程度も激しくなります。
  2. 痙咳期(約2~3週間持続)
    次第に特徴ある発作性けいれん性の咳(痙咳)となります。これは短い咳が連続的に起こり、息を吸うときに笛の音のようなヒューという音が出る症状です。また、しばしば嘔吐を伴います。
  3. 回復期(約2~3週間)
    激しい発作は次第に減衰するが、その後も時折忘れたころに発作性の咳が出ることがあります。

軽症でも菌の排出はあるので、ワクチン未接種の新生児・乳児には注意が必要です。

海外渡航時の注意点

行き先によらず感染する可能性のある病気であり、ワクチン接種が重要と考えられています。

欧米諸国を中心として、乳幼児期の3~4回の接種による基礎免疫に追加して、4~6歳で1回、さらには10歳代以降で再び接種を推奨している国が多くみられます。
日本では10歳以降の接種が推奨されていないため、世界標準と比較した場合免疫の維持・保有状況に不安があります。
欧米やオーストラリアなどの国々では、新生児~乳児を百日咳から守るために、小児病棟へ出入りする方にワクチン接種を義務付けている場合もあり、積極的な対策が講じられています。

取り扱いワクチン

国内承認ワクチン
  • DPT 【ジフテリア・百日咳・破傷風混合】(一般財団法人 阪大微生物病研究会)
  • DPT-IPV 【小児用:ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ混合】
    (一般財団法人 阪大微生物病研究会)
未承認ワクチン(輸入)
  • Tdap 【成人用:ジフテリア・百日咳・破傷風混合】
    (Glaxo Smith Kline社)

ワクチン接種スケジュール

ワクチン名0日1ヶ月2ヶ月3ヶ月4ヶ月6ヶ月12ヶ月追加の目安
国内承認DPT初回10年後
国内承認DPT-IPV初回10年後
未承認Tdap初回10年後

※留学などで複数回数接種が必要な場合は、規定に沿って接種

お気軽にお問い合わせください。03-5456-6282診療時間 午前10時-14時 / 午後16時-19時[水・土休診]
※金曜は21時まで診療

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