日本脳炎
原因
日本脳炎ウイルスに感染しているブタ・ウマ・鳥類を吸血した「蚊(コガタアカイエ蚊)」がヒトを刺すことによって感染します。コガタアカイエ蚊は夕方~朝方にかけて活発に活動します。その時間帯に屋外へ出る場合は注意が必要です。
なお、日本脳炎は一般的にヒト-ヒト感染は起こらないと考えられています。
症状
典型的な症状として38度以上の高熱、頭痛、悪心、嘔吐、めまいなどを呈し、小児では、腹痛、下痢も多くみられます。その後、意識障害やけいれん、体の麻痺などが起こります。
大多数は無症状のまま(不顕性感染)とされますが、発症した場合の死亡率は20~30%、生存できたとしても30~50%で神経学的後遺症を残すこと、有効な治療法がないことなどから、やはり予防が極めて重要な感染症と考えられています。
定期接種をされていない方
平成17~21年度(2005~2009年)にかけて、日本脳炎ワクチンの積極的接種勧奨が差し控えられたことにより、定期接種を受ける機会を逃した方が多くいらっしゃいます。その方を特例対象者とし、定期接種の救済措置が行われております。接種ご希望の方は、一度市区町村へのお問い合わせをお勧めいたします。
※特例対象者※
平成7年4月2日から平成19年4月1日までの間に生れた方で、4歳以上20歳未満に該当する方
海外渡航時の注意点
東は日本から西はパキスタンまで、東アジア・東南アジア・南アジア一帯で日本脳炎は流行しており、年間3~5万例の感染者がいると言われています。
流行地域に渡航し、下記に該当する方はワクチン接種を推奨致します。
- 蚊が活動する季節に1カ月以上滞在する方
- 滞在が1カ月未満でも郊外での野外活動(キャンプやハイキング等)や農作業をする方
- 日本脳炎ワクチン接種歴が不明な方
- 滞在期間の長短によらず、頻繁に流行地を訪問する方
また、日本脳炎のみならず海外で蚊を媒介する感染症から身を守るには、まず蚊に刺されないようにすることが必要です。長袖・長ズボンを着用し皮膚の露出を可能な限り避けることや、虫よけスプレーやローション等の使用も推奨されます。国内で販売されているものは、有効成分の濃度が低く効果が薄い場合があります。当クリニックで取り扱うウルトラソン※1のような有効成分を多く含んだ効果の高いものを使用することをお勧めいたします。
※1 ウルトラソン(ULTRATHON)
当クリニックで取り扱っている虫除けローションです。
日本で一般的に販売されている虫除け剤はDEET(ディート)という有効成分の濃度が低いため(12%以下)、感染症発生地域に潜む危険な蚊、ダニ、刺し蝿等には効果が期待できません。 ウルトラソンは、有効成分DEETを多く含んでおり(34.34%)、効果的な防御をより長時間に渡って行うことが可能です。その効果と安全性から、米軍では1980年より正式に採用されております。
その他、一般的な予防法についてなど 「蚊が媒介する感染症」のページに様々な情報をまとめております。是非ご覧ください。
参照:https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name46.html
取り扱いワクチン
- 国内承認ワクチン
- 日本脳炎ジェービックⅤ(田辺三菱製薬株式会社)
- 日本脳炎エンセバック(Meiji Seikaファルマ株式会社)
ワクチン接種スケジュール
ワクチン名 | 0日 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | 4週間 | 6ヶ月 | 12ヶ月 | 15ヶ月 | 追加の目安 | ||
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国内承認 | 日本脳炎 | 初回 | 2回目 | 3回目 | 3~5年後 |
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