マラリア

原因

ハマダラカの刺咬によりマラリア原虫が体内に入る事で感染します。体内に侵入した原虫は肝臓で一定期間増殖した後に抹消血中に放出され、赤血球に寄生し赤血球を破壊します。
マラリアは、三日熱、四日熱、卵形および熱帯熱の4種と言われていましたが、最近は東南アジアでサルマラリア原虫のヒト感染例も報告されています。熱帯熱マラリアは重症化しやすい為、注意が必要です。

症状

潜伏期間は熱帯熱で7～21日、それ以外で10～30日程度ですが、四日熱マラリアは感染後、数カ月たってから発症する例もあります。症状としては発熱、貧血、脾腫などがみられます。熱帯熱マラリアは脳症、腎機能障害、呼吸不全などの合併症を伴って重症化しやすく、マラリアによる死亡のほとんどを占めています。

海外渡航時の注意点

マラリアの流行は熱帯・亜熱帯地域の世界91各国で認められ、毎年約2億人の罹患者と、約40万人の死亡者数を出しています。アジアや中南米では、郊外の森林地帯、サハラ以南のアフリカでは都市部を含む国内全域で熱帯熱マラリア原虫の感染リスクが高いと言われています。
季節・天候により流行状況は変わるため、滞在期間や季節、行動時間を考慮して感染リスクを予め確認しておくことも大切になってきます。マラリアを媒介するハマダラカは雨季に増え、かつ夜間吸血する習性があるため、雨季の日没後の外出は極力控えると効果的です。外出する際は長袖服、長ズボンを着用して皮膚の露出を少なくするとともに、昆虫忌避剤を肌に塗布することが推奨されています。
また、蚊を媒介する感染症から身を守るには、まず蚊に刺されないように予防することが必要です。長袖・長ズボンを着用し皮膚の露出を可能な限り避けましょう。また、虫よけスプレーやローション等の使用を推奨します。国内で販売されているものは、有効成分の濃度が低いので、ウルトラソン※1のような有効成分を多く含んだ効果の高いものを使用することをお勧めいたします。

※1 ウルトラソン(ULTRATHON)

当クリニックで取り扱っている虫除けローションです。
日本で一般的に販売されている虫除け剤はDEET（ディート）という有効成分の濃度が低いため（12%以下）、感染症発生地域に潜む危険な蚊、ダニ、刺し蝿等には効果が期待できません。 ウルトラソンは、有効成分DEETを多く含んでおり（34.34%）、効果的な防御をより長時間に渡って行うことが可能です。その効果と安全性から、米軍では1980年より正式に採用されております。
その他、一般的な予防法についてなど 「蚊が媒介する感染症」のページに様々な情報をまとめております。是非ご覧ください。

https://www.forth.go.jp/useful/malaria.html

取り扱い予防薬

国内承認

• マラロン配合錠 （グラクソ・スミスクライン株式会社）

服用スケジュール